こんにちは、SEMカフェ主宰の小西です。
好きな油はセラミック粒子の混ざった合成油です。
10年くらいずっとリスティング広告の運用代行を中心にお仕事しております。
だいぶ初めのころに爆発的な結果を出して自信がついてしまって天狗になったこともありましたが、2015年あたりからはプログラムの恩恵を感じて、これは大半が自分の腕による成果ではないぞとも思うようになり、2017年ごろにはこれはあと2年以内には広告屋全員廃業してもおかしくないんじゃないかとも思い、でもそんな予想は当たらなかったので今はまだ僕も広告運用代行の仕事ができています。
そんな僕個人の勝手な考えとは関係なしに、広告主のプロモーションに関わるお仕事をしていれば仕事の仕方も内容も自然と変化していくものです。
今も広告運用代行は中心としても、それ以外の割合がとても多くなりました。
いやぁほんと広告屋なのに広告管理画面以外を触っていることが多い。
と、いいますか、
リスティング広告そのもののパフォーマンスを最大化するためにもリスティング広告以外のことで知らないといけないこと、やらないといけないことが、本当に多くなりました。
引き続き広告屋として生きていくにしても、別の分野のスペシャリストと仕事をしていくべきだとも考えてもいたましたところ、いろいろありまして、
2019年5月に設立しました株式会社JADEの執行役員に就任しました。
代表はGoogleでWebmaster Trends Analyst をされていた長山一石さん、
副代表はSEO界隈+αでご存知、辻正浩さんです。
全員、意思も癖も強い人達なのでいつ喧嘩して空中崩壊するかヒヤヒヤすることになるかなと思いきや、むしろ楽しく過ごしています。良い議論の仕方ができる者同士っていいですねほんと。
JADEそのものや他メンバーの話は会社サイトやメンバーの記事を見ていただければと。
辻さんの記事
ここでは僕がJADE参加を決めた理由を、リスティング広告の運用代行業者として最近考えていることと絡めて、書きます。
JADEとして目指すところはさておき、あくまで僕個人としての思惑です。
※ちなみに
僕が代表をしているハイパス株式会社は変わらず続けます。
誰がやっても変わらない、とまでは言い切らないものの
昔は、そこそこ程度の結果を出すにも人のスキルがかなり必要でした。
今は、プロの目からしても結構良いですねくらいの結果を誰でも出しやすくなったし、今後はもっと簡単になるだろうなと。
設定と入札テクニックでどうにかできてた
昔は、グルーピング、設定方法にもテクニックがありました。
今はほぼありません。
あと、入札と予算管理を上手くできるかどうかで成果が大きく変わりました。
でも今は自動入札がいい感じです。
誰かが組んで運用していたアカウントをそのまま担当して、2日後には費用変えずに成果3倍、そしてアカウントの中身組み換えてさらに2倍、みたいなことがよくありましたが、今はよほどのことがないと考えにくいです。
今思い返すと爽快なことをたくさんできてしまう時代でしたね。どうやったらそうなるかわかりやすかった、コントロールして実現できていた自覚もあった、というところが今と昔の大きな違いの一つです。
ちなみに僕は10年前からなのでパナマ時代からです、それより前から携わってる方はもっともっと違いを感じられているのでしょうかね。
サイトの改善なんかさておき広告管理画面でがんばることでなんとかなった
「サイトの改善提案ももらえますか?」というのは昔からよくいただく相談でしたが、ひとまず広告の設定と運用に専念させてください、それから考えましょう、としていました。
だって下手にサイト側に費用と手間かけるくらいなら、とにかく広告管理画面でできることをがんばってしまったほうが安く早く簡単に目先の成果はどーんと上げられたから。
なので、広告運用専門という立場でやっていきやすかったという側面もあります。
人的スキルも人的価値も横並びになる
設定はこうやりましょうという型が決まってきてテクニック的なものもなくなり、入札も自動化、となると当然、誰が管理画面を触っても結果はだいたい一緒、となっていくわけです。
昔は「僕がやったからこの成果になったんです」が言えたし証明もできたので、それで仕事も得られましたし高い報酬も要求しやすかったですが、
今は「システムが大半やりましたね、誰がやってもこのくらいの成果は出るかと」ってなってしまうので、代行業者としてはそれだけでは存在価値が下がっていきつつ、みんな一緒、になるわけです。
とはいえキーワード選びで差が出るかどうか
スマート自動入札&部分一致の威力と可能性がすごいのでそういう側面もどんどんなくなるかと。
引き続き差を出せる範疇はありますが、ほんの一部分的な範疇にもなるかと。
まだ差をつけられる要素として「広告文」はある、けれども
今、広告文次第で大きく、状況も、成果も、変わります。
でもこれも自動作成ははじまっているわけです。
とはいえ、これは自動作成ががんがん進んでも人間によるテクニックの使いようはあるだろうなと僕は思っていますが、結局は管理画面内でやれることの一つ、他の広告主、広告代理店もここをがんばってくれば横並びにはなりますし、現実問題として簡単にパクられてしまうという脆い武器でもあるわけです。
とにかく広告文がすべて、とここ3年くらい僕もあちこちで言ってきましたが、この武器だけしか持っていないと勝てない時代がくるはずです。もう来てるっちゃ来てるけど。
この、次の武器を作りにいきたい、というのが、JADEに加わる一番の理由です。
やっぱりLPなのか?
いわゆるLPの内容でCVRは変わります。だから良いLPを作れるようになろう!なんて陳腐なことを言う気はありません。
キャッチを変える、コンテンツを変える、これでCVRは変わる、そりゃそうです。
webページの内容や体裁などによって変わるのはCVRだけではありません。
広告システムをハック、なんてできませんが少しでもハックするためにも、webページがどうであると広告の動きが変わるか、これをできるだけ探らないといけません。
なので、広告をハックするのに広告専門の代行業者なだけではだいぶしんどいわけですし、ただ単に制作部隊を持つ広告代理店でもなんか違うわけです。
だからJADEに(ループ)
データを守る必要性は高まる
人的なテクニックの重要性が高かった昔は、自分が運用している広告アカウントを仮に他社に見られたところで「やれるもんならやってみろ」という気持ちでしたが、自動的なプログラムの影響が強い今は「ごめんなさいほんとに見ないでください」という気持ちで、今後さらにそれが高まります。
でも、もう現時点で、気軽にどっかの代理店さんに無料診断をお願いするのはやめたほうがいいと思いますよ。
無料診断の前に、まずそこが人として信頼できつつデータを開示するほどの価値がある代行業者さんかを見極めてからにしたほうがいいですよ。
そんなこんなで
運用者による差がなくなるなんて考えたらネガティブな話ですが、ポジティブに考えたら、人の手間はどんどんかからなくなっている中、今までどおりの運用手数料をもらっているなら何か新しいことに手間をかけられるようになるわけで、結局はそれによって差をつけることはできるわけです。
でもそのかけるべき手間が広告管理画面の中に今後もあるかというと、そんなにないので、ざっくり言うと広告管理画面以外でできることをやるべきで、それはどんなことがあるかというと様々なことがあるわけですよね。解析に力を入れるもよし、広告以外の集客施策も担うもよし、タグ管理含むサイトの保守的な領域をやるもよし、とにかくいわゆる広告的LP作りまくるもよし、いろんなスタイルがありますよね。
何にしろ間違いなく、何かしら幅を広げられないままでいたら広告運用者としての価値は下がっていくだけでなく、広告運用そのものの範疇だけを見ても負けていくことでしょう、だって、広告の動きに対する理解度を高められないから。
そのためには自分が突き詰めたい領域の仕事ができる人と組むのはいい選択肢だと考え、それができる人達と組んだ、そんな感じです。
というかこんな話は昔からそうだったといえばそうなのですが、なんか、いよいよだなと。
僕もうかうかしてたと思うものの、ではこれまでに制作のスキルかSEOのスキルか何かプロレベルで身につけていたらそれでよかったかというと多分そういうことでもなくて、何であれ今後の時代に則したスキルでなければいけないはずで、と考えると今からスタートできるという、もはや新卒入社レベルの新鮮な気持ちで、サークルコミュニティとイベントの運営経験で培ったリーダーシップと縁の下の力持ち力を発揮しつつJADE社の潤滑油のような存在()となって、3日で辞めないようがんばりたいと思います。
※辻さん、長山さん、小西、です。
ヒゲ脱毛直後のヒゲが濃く見える期間と会社サイト用の写真の撮影の期間がかぶったのが心残りです。